理事長挨拶

代表幹事 本郷道夫(東北大学病院総合診療部)

本郷道夫 経口摂取した食べ物は、舌咽頭の嚥下により喉頭を経て食道へと流入し、食道に入ったものは蠕動運動によって胃に送られます。このとき、噴門は食物流入の間だけ弛緩し、流入が終わると胃から食道へ逆流しないように閉じています。その後の嚥下物が消化吸収され排泄にいたる全てのプロセスは実に巧妙に仕組まれています。消化管の働きは自らの意志でコントロールすることはできないものの、心理状況の変化に応じて様々な変化を示します。そのような消化管の働きを研究し、その知識を研究者の間で共有し、日本から世界へ、そして世界から日本へ情報の交換を行なうことを目的に、日本国際消化管運動研究会が設立されました。
 私達の研究は、消化管の運動から始まりましたが、今では内臓知覚、知覚や運動と心理情動ストレスとの関係、それらの分子レベルでの制御機序、神経薬理学的機序へと研究領域が急速に拡大してきています。
 症状があるのに所見が見つからない患者さん、すなわち内視鏡では病変が確認できない消化管の疾病あるいは機能異常について、皆様とともに研究し、そのような病態への適切な対応策の確立を目指して、そして患者さんの福音となる治療法の確立につながる研究を推進していきたいと思います。
 これまでの概念にとらわれることなく、柔軟な発想で研究を進めてゆきたいと思います。様々な領域の皆様が参画されることによってこれまで気が付かなかったことが明らかになるかも知れません。多くの皆様のご参加をお待ちしています。